「セゴビア」 

 長田 弘

もし、愛する人に捨てられて
友人に悲しみを訴えたいなら、チェロで

その友人に裏切られたなら、オルガンで
神さまにその苦しみを訴えなさい

けれども、ほんとうに愛する人がいるなら
あなたはギターの言葉で語らなければなりません

ギターを弾く人は、歎いてはいけません

遠くへゆきたくないなら、ギターは捨てなさい

どんなに幸福に恵まれた土地であっても
ギターを愛するのなら、その街を離れなさい

ギターを弾く人は、旅しなければなりません
地球の円みを踏みしめて旅しなければなりません

ギターを弾く人は、泣いてはいけません
けれども、泣くような思いをしなければなりません

魂にかたちがあるなら、ギターの形をしています

「ギターを弾く人は」アンドレス・セゴビアはいった
「愛する楽器のために生きて、旅しつづけて、
そして死ななければなりません」






この詩は先日の福耳ライブの終盤で演った長田弘さんの詩。


僕にとってはとてもリアリティのある言葉だ。


また今週末からフー太郎の森基金全国キャンペーンに出掛けるけれど、今の僕の「旅」は「移動」になってやしないだろうか。



そろそろ、自分の足で「旅」に出よう。

地球の円みを踏みしめる
旅へ。