「」
雨が止み
鈴虫が鳴いていた
それだけで良かった
夜明け前 目が覚め
真っ暗闇の中 研ぎ澄まされた耳が捉えたもの
それを無防備な五感が受け入れ
鈴虫が鳴いている と感じる
それだけで良かったのではないのか
既に完結したものに不純物を押し混ぜて
強要し
示唆し
切り売りする
その行為が「アーチスト」だと気付いてしまった途端
息が出来なくなった
無防備なままの心は
みるみるうちに闇に呑み込まれた
誰でも良い
肩に触れてほしい
そうして明るみへと
この心を引き戻して
幾分かの時をやり過ごして
我にかえる
神経も元通りに鈍っている
生活の出来る範囲だ
そうしてようやく「思い込み過ぎだ」と 思い直してみる
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いつまでも純粋でいたいと願う事は愚かな事だけれど、
愚かな事が間違っているかどうかは
誰にも判断出来ない。
その逆も 然り。
さっきの感情が自分に何を問いかけていたのかは分からないけれど
きっと、これ以上は踏み込まない方が良いから
分からないままで良い。
あるいは 何も問いかけてはいなかったのかも知れない。
そんな、まるで金縛りの様な
悪い夢の延長線上の様な体験をして迎えた朝
風邪が治っていた。
お し ま い
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